第006回 伝統文化がわたしたちに与えている影響

ポイント:日本の伝統文化が与えている影響について考えましょう。(生活面や精神面)
 
・伝統文化とはなんでしょうか。
 
前回までは、『文化』についてスポットを当てて考えてきました。そう、『文化』とは、
 
文化 = 生活の中で身につけた行動のしかたや価値観、それらによって生み出されたもの
 
では、一体、『伝統文化』とは何でしょうか。
 
伝統文化 = 長い歴史の中でつちかわれ、人々に受けつがれてきた文化
 
日本はその昔、大陸と陸続きであったこと、比較的近い位置にあることなどから、
 
大陸の文化の影響を受けてきました。それもそうです。
 
大陸の大国に『あいさつ』をすることより、自国を認めてもらうならわし、
 
『朝貢』がありましたよね。
 
奈良時代には『万葉仮名』、天平文化に代表されるように、国際色豊かな文化がありました。
 
もちろん、平安時代に平仮名や片仮名がつくられ、能や歌舞伎、茶道や華道などなど。
 
さまざまな文化が現在にも残っていますよね。
 
ちょっとした、年中行事について説明してみましょう。
 
たとえば、初詣(はつもうで、元日詣)。
 
じつは、これ、明治時代に今のように形で行われるようになりました。
 
でも、江戸時代までは、『年籠り』といって、『除夜詣』と『元日詣』に分かれていたのです。
 
『年籠り』って、じつは、大晦日の夜から元旦の朝にかけ氏神の社に籠もる行事のことだったんです。
 
『盆踊り』は、平安時代の仏教行事で死者の供養をする行事です。盂蘭盆会ともいいます。
 
『節分』は、室町時代の豆打ちがもとで、邪気を無病息災を祈願します。
 
でも、家の中が汚くなるので、よく母から嫌がられました。
 
たんすのうしろに大豆がはいってとれない!なんて、よく怒られたものです。
 
ところで、『伝統文化』には、大きく分けて、2つあります。
 
一部の専門家によってになわれてきた文化:能や歌舞伎、茶道や華道。
 
広く庶民により受け継がれてきた文化(生活文化):衣食住、年中行事、冠婚葬祭。
 
『伝統文化』は、日常生活に溶け込み、いまでも、続いているものがありますよね。
 
受験シーズンに学問の神様…トイレの神様ではないですよ、菅原道真。
 
覚えていますか、遣唐使を停止させた人。唐の政情不安、船での航海が危険なことを理由に
 
朝廷に進言しました。あの人。そののち、彼のたたりを恐れて、まつられていますよね。
 
彼の死後、天皇家などに不幸が相次いだためです。
 
さて、そこで、『合格祈願』をする人も多いことでしょう。
 
桜の木の下で、『花見』するひとも、インターネットがはびこる時代にも
 
まだまだ、この風情を楽しむ人たちは絶えません。
 
また、日本独特の考え方である『おかげさまで』や『もったいない』は、
 
長い日本の歴史のなかで培われてきた『伝統文化』なのです。
 
『もったいない』は、もう亡くなられてしまいましたが、ワンガリーマータイさんが、
 
国連のスピーチのなかで、世界に発信して、有名になりました。
 
彼女の『もったいない』が『3R』につながっていったのです。
 
つまり、ゴミの再利用(リサイクル)、再使用(リユース)、そして、減量(リデュース)です。
 
後述しますが、ワンガリーマータイさんは、ケニア出身の環境保護活動家で
 
ノーベル平和賞を受賞しています。
 
マララさんものノーベル平和賞を受賞しましたが、この『ノーベル』さんが、
 
発明したダイナマイト…悲劇を生みましたね。
 
きっと、彼女らの活躍をみて、彼も喜んでいることでしょう。
 
さて、話をもどしましょう。
 
・最近の伝統文化
 
この今日のテーマである『伝統文化』は、水のようです。
 
今日の公式:伝統文化 = 水
 
なんででしょうか。
 
みんな、生きていますよね。
 
小さかったころと比べて、いまは、違った考え方、生き方をしていると思います。
 
それは、成長に合わせて、普通のことです。
 
小さかったころは、砂場で遊んだり、男女関係なく遊んだり。
 
大きくなるしたがって、話す話題や遊びかたも変わりますよね。
 
『伝統文化』も同じです。その時代や環境に合わせて姿や形を変えながら、
 
現代に受け継がれているのです。
 
だから、『伝統文化』は、『水』のようなものなのです。
 
『水』は、入れ物によって、形を変えるでしょう。
 
でも、『水』なんです。
 
ただ『伝統文化』は、多少、変容することがあります。
 
たとえば、七五三。子どもの成長を祝って神社にお参りしたものです。
 
今は、デパートで千歳あめを買って、写真館にいって、記念写真やセルフィーを撮ったり。
 
Facebookにアップして…ツイッターでつぶやいて、
 
LINEで、『こんな格好でいってきた^~^』ってメッセージを友達に送ったり。
 
それが、現在です。
 
成人式も戦後、今のような形になりました。それまでは、『元服』といって
 
12歳から15歳の男子が一人前として社会に認められる儀式だったのです。
 
現在の成人式は1946年に行われた埼玉県蕨(わらび)市の『成年式』が始まりです。
 
そして、『成人の日』が祝日法で制定されたのは、1948年のこと。
 
戦後3年目のことでした。そして、全国に広まり、現在の『成人式』の形になり、
 
親しまれているのです。皆さんも、あと5年ですよ。あっという間の5年です。
 
社会人になったり、大学生だったり、もしかしたら、結婚しているかも知れませんね。
 
・どのように『伝統文化』を保存、継承したらよいのでしょうか。
 
ほっておいたら、『伝統文化』は、消えてしまいます。
 
形を変え、姿を変え、意味を変え、『伝統文化』は生きています。
 
しかし、少子高齢化の波はここにも押し寄せているのです。
 
伝統文化の担い手である人々が高齢化し、少子化による後継者不足が懸念されています。
 
国の動きとしては、文化在保護法を制定し、法律の整備をしました。
 
地方公共団体などでも、文化財の保存、継承に力を入れています。
 
保存会をつくったり、観光資源として『伝統文化』を活用したり。
 
では、文化財の保存の仕方には、どのようなことがあるのでしょうか。次の3つを覚えておきましょう。
 
①保存、修復、修理の強化、充実
②伝承者の育成と伝承活動の支援(保存会をつくり継承)
③公開・活用の促進(観光資源として活用)
 
 
ということです。ちょっと、ここで、文化財について説明しておきます。
 
大きく4つに分かれます。
 
有形文化財:建築物、絵画
無形文化財:芸能、工芸技術
民族文化財:衣食住、信仰、年中行事、民族芸能
記念物:城跡、庭園
 
覚えておいてくださいね。
 
最後に日本の伝統文化の良さを一つでいいので、
 
世界の人々に説明してみてください。国際社会に立つためには、必要なことですよ。
 
たとえば、『初詣』。
 
初詣(寺社にお参り)をすることによって、新しい1年の幸せを祈ったり、
 
家族や友達との交流も図れる伝統文化です。
 
『茶道』
 
ただ、お茶を飲む『午後の紅茶』では、ありません。
 
お茶をたて、相手を歓迎し思いやる心(思いやり)や、
 
ものを大切にあつかう心、
 
美を楽しむ心など、深い精神世界を楽しむ一つの伝統文化なのです。
 
あー、おなかすいたっていって、和菓子をバクバク、ほうばらないでくださいね。
 
それでは、今回はこの辺でおしまいにしましょう。

 


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