第020回 日本国憲法が定める『社会権』

ポイント:日本国憲法が定める「社会権」について

その1 社会権と生存権について

社会権とは、人間らしく生きるために基本的な生活を保障する権利のことです。

歴史的に紐解くと…

19世紀に世界は、経済活動が活発になりました。

資本主義…なんて言葉のもと、資本家と労働者の二つに分かれて、

世界は産業を発達させたのです。

そして、経済活動が活発化しました。

そこで、裕福になった人たちと貧乏になった人たちの

2層に分かれてしまったのです。

このときに使われた権利が「自由権」。

会社は利益を追求するあまり…

簡単に言えば、儲けたいですから、

労働者に給料なんてあげたくないですよね。

そうなんです。

雇い主は労働者を搾取し始めたのです。

このころの主な労働者といえば、子供や女性。

社会的にも弱者と呼ばれる人たちでした。

いろんな労働問題も発生したのもこのころ。

いくら弱者とはいえ、黙ってみているだけではありませんでした。

もちろん、労働者の気持ちを代弁する政治家たちも現れ始めました。

そして、「人間に値する」生活を保障しようという権利…

社会権」が生まれたのです。

日本国憲法では、

・生存権 日本国憲法 第25条① ←「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利

・教育を受ける権利 日本国憲法 第26条①

・勤労の権利 日本国憲法 第27条①

・労働基本権 日本国憲法 第28条

これらの4つの権利を保障しています。

その2 生存権について

人間として最低限度の文化的な生活を保障してくれる権利ですが…

国が保障してくれるものって

実は少ないです。

でも、保障していなかどうかと質問されたら

国は保障しています。

病気をしたり、失業したりして、収入がなくなったら、どうしますか。

大変ですよね。

ですから、法律を整備することによって、

国は健康で文化的な最低限度の生活を保障しているのです。

でも、安心しないでくださいね。

ここでは、説明しませんが、「最低限度の」が大切です。

国が保障する「最低限度の文化的な生活」ってどんな生活か調べてみてくださいね。

制度が複雑で保障が十分、受けられない。

制度を利用する側が制度を選ぶことができない。

制度を利用する側が意見を述べる機会が少ない。

こんな課題のある「生活保護」なんです。

あんまり、わがままな意見はいけませんが、

もう少し、融通が利いてくれるといいなぁと個人的には思っています。

もちろん、保障していただいていますから…

文句は言えない…とは言っても、

裁判に持ち込んだ方もいますから、

調べなくても、どのような保障かは想像がつくことと思います。

簡単に法律の整備といいますが、

社会のニーズに遅れをとるのが「法律の整備」です。

生活保障

年金保障(老齢年金や障害年金)

医療保険

こういった社会保障制度の整備は、いつも叫ばれています。

少子高齢社会、真っただ中の日本。

介護保険制度は2000年から始まっています。

急激に高齢化している日本。

社会保障制度の整備の一層の努力を期待したいところです。

その3 教育を受ける権利 

子ども=若い力

教育に関していえば、この権利は義務でもあります。

つまり、国は教育を受ける権利を保障すると同時に

子どもは、教育を受ける義務も発生しています。

「教育」は、とても大切なものです。

正しい知識

豊富な知識

協調性を育て、社会性のある人になってほしい

そんな願いから生まれた権利です。

日本の教育制度は、江戸時代ころにはじまり、

明治維新の三大改革のうちの一つにもはいっていますね。

生涯学習する機会を失わないようにしましょう。

勉強がいやーって言う人は、結構、多いですよね。

でも、「勉強」は、わからないことを理解すること。

探求心、好奇心をいっぱい育てて、元気に勉強しましょう。

自分から進んでした勉強は、一生、忘れないものです。

それから、もう一つ。

受験勉強ほど、ためにならないものはありません。

勉強で大切なことは、

わからないことを理解すること。

忘れないように、頭に詰め込むことではありません。

勉強は、身につけるもので、頭に入れるものではありません。

はなしが脱線してしまいました。

その4 勤労の権利/労働基本権

この権利は、もちろん、労働者のために認められている権利です。

働かざる者、食うべからず。

でも、働かされすぎても困りますね。

ほどよく働いて、ほど良い収入で生活ができれば、いいですよね。

充実した毎日が暮らせれば、言うことなしです。

そのためにもこの「勤労の権利」が保障されているのです。

いまは、あんまり言われなくなっちゃいましたが

「勤労感謝の日」ってあるんですけどね。

労働者=弱者

こんな等式が成立しない日がくるといいなぁと思いますが。

そこで、国は法律を整備しました。

労働基本権(労働三権)と言われるものです。

団結権:労働者が団結して行動できるように労働組合をつくる権利

団体交渉権:労働組合が賃金その他の労働条件改善を求めて使用者と交渉する権利

 この前まで、銀行がストライキをやってひどかったです。というわけで…(2016年10月のお話)

団体行動権:ストライキなどの団体行動をする権利

というわけで、社会的に弱者ができてしまうのは仕方ありませんが、

それを、何とかしようと法律を整備することに努力を注いでいる国もあるのだということを

覚えておきましょう。

その努力の一つ一つを具体的に覚えておけば、テストのときも大丈夫なはずです。

それでは、社会権はどうして重要なのでしょうか。生存権を中心に説明してみましょう。

病気や失業して、収入が得られないと人間として最低限度の文化的な生活を維持できなくなるので、

国による生活保障が欠かせないからです。

それでは、今回はこの辺でおしまいにしましょう。


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