第093回 北海道地方 : 人々の生活
地理的分野 第093回 北海道地方:人々の生活
北海道の生活のくふう
北海道は冷帯です。
寒いですよね。
人々が生活するためには、この寒さをどうにかしなければいけません。
では、どうしたらよいのでしょうか。
シベリア地方のことを勉強したのを思い出してくださいね。
家の窓を二重にしていたは、シベリアだけではないです。
ここ、北海道のそうなんです。
寒さの防ぎ方って、万国共通なんでしょうか。
ただ、壁は断熱性の高い材質を利用しています。
これは、ちょっと、シベリアとは違いましたね。
外気をシャット・アウトして、暖まっている室内の空気を
なるたけ、外へ出さないようにすることによって、
寒さをしのいでいるのです。
雪が積もった道では、車は走れませんよね。
そこで、考えだされたのが『ロードヒーティング』
これは、道路の中に電熱線や温水パイプを入れて、
雪をとかしてしまう仕組みです。
すごいですね。
それから、雪が積もらないようにする工夫もされています。
たとえば、縦型の信号機。
それに、上の方がななめになっている看板。
いろいろ考えていますね。
みなさんも、雪と共存する方法を考えてみましょう。
さて、『稲作』について、考えてみましょう。
前回にも書きましたが、『稲作』の適地は東南アジア。
日本に『稲作』が大陸からもたらされたのは、九州地方です。
北海道ではありませんよね。
その土地でできないようなものは、発達しないのが当たり前。
『稲作』は、北海道では適していませんでした。
その理由は、『稲作』にとって、
寒すぎること。
泥炭地であること。
この2点が『稲作』を不可能にしていたのです。
そこで、『不可能』を『可能』にする出来事が起きたのです。
耐寒性の稲をつくるために行われた品種改良。
客土。(おもに泥炭地)
排水施設の建設。
この三本柱が『稲作』を北海道でも可能にさせたのです。
なみなみならぬ努力がそこには、あったと思います。
この努力の甲斐があって、全国でも有数な米の産地『北海道』が
誕生したのです。
現在、なお、稲の品種改良は続けられています。
石狩平野のお米は、地球の反対側にまで
届く日がくるかも知れませんね。
九州地方と似たところのある『北海道』
そうなんです。
じつは、北海道にも、活発な火山があるんです。
2000年の有珠山の噴火は洞爺湖温泉をはじめ、
周辺市町村に損害をもたらせました。
事前の避難により、被害は最小限に食い止められました。
近年、国をはじめ、防災対策も進んでいます。
たとえば、
防災マップ:避難経路の事前の確保。
気象庁の避難情報の発信
砂防ダム:火山の噴火にともなう噴出物の流出を防ぐ。
日頃からの避難訓練の徹底
そして、このような危険な地域は、『ジオパーク』に認定して、
(自然環境の保護 + 環境問題や防災などの学習)をするところ
世界的に『ジオパーク』は広まってきています。
ちなみに洞爺湖有珠山ジオパークは、
ユネスコ支援の世界ジオパークネットワークに認定されています。
『日本ジオパークネットワーク』のサイトはこちら↓
https://www.geopark.jp/about/ggn_jgn.html
ぜひ、みてくださいね。ちょっとした調べ学習ができますから。
森と海は密接に関係しています。
そうなんです。
じつは、森林の落ち葉は土になります。
そう、腐葉土っていいますよね。
とっても、栄養が高いものです。
植物が好む土であることは、間違いありません。
さて、この腐葉土の栄養分が川に流れこみ、
海に運ばれ、こんぶなどの生長を促します。
そのこんぶなどの海藻は魚や貝を呼ぶので、
森林を大切にすることが海を守ることにもつながっているのです。
その実践をしているのが、襟裳岬のあるえりも町のみなさん。
昭和初期に、この地域の漁獲量が減少したため、
なんとかしなければということで始まった植林活動。
この植林活動が漁獲量を増やす一つの理由になり、
現在では、だんだんと漁獲量が改善されてきているのです。
間接的な運動が、実を結ぶって、
とっても気持ちのいいものですよね。