古代は、3世紀ごろを古代の始めとするのが有力な説です。
ここに、各時代区分の区切りを書いておきます。
ただ、これは、あくまでも日本の時代区分です。
国ごとに時代区分はちがいますので、ご注意ください。
しかも、後述しますが、日本においても、時代区分の考え方が違います。
『日本の時代区分』
原始:旧石器時代・縄文時代・弥生時代・古墳時代(古代大和国家が成立するまで)
古代:古代大和国家の成立から飛鳥時代・奈良時代・平安時代(平家政権が成立するまで)
中世:平家政権の成立後から鎌倉時代・室町時代(織田信長が畿内で台頭するまで)
近世:織田信長の畿内での台頭後から安土桃山時代・江戸時代(黒船来航まで)
近代:黒船来航後から明治時代・大正時代・昭和時代(太平洋戦争終結まで)
現代:太平洋戦争終結後から現在まで
詳しい説明
学問的には、歴史学の中での区分のひとつで、歴史学である以上、
古代史研究の基本は『文献史学』になるのです。
では、『文献史学』とは、何かといわれると、
文字として先人達が残した情報である「文献史料」を
厳密な史料批判の作業に基づき解釈していく学問です。
つまり、『古事記』『日本書紀』をはじめとして、様々な時代の史料を対象としますが、
近年は発掘調査などによって発見される木簡・墨書土器などの出土文字資料や、
石造物や墓石などの野外資料も対象になるのです。
古代の文献といえば、『古事記』『日本書紀』です。
「初代天皇」の神武が即位したのが紀元前660年です。
また、中国の史書(邪馬台国の記述のある魏志倭人伝-正確には"『三国志』「魏書」東夷伝倭人条"が有名です)や
朝鮮の好太王碑(広開土王碑)などには、4世紀の日本について書かれてます。
では、日本の古代は紀元前660年という素朴な疑問がでてきますよね。
ところが、
『文献史学』とは「厳密な史料批判の作業に基づき解釈していく学問」なのです。
つまり、『中国史書』にあったから事実である、とか『記紀』に書いてあった事を
鵜呑みにしてはいけないのです。現在のところ、特に古代史の分野において、
基幹史料が『記紀』しかないので、
様々な検証がされて事実の確認作業をすることが大切なのです。
最近では、わからないことのほうがたくさんありますが、
積極的に考古学の成果などを取り入れられて、さまざまな事実がわかってきたのです。
古代がいつから始まったかという素朴な疑問を解決するにも、
結構、さまざまな知識が必要ですよね。
そこで、この古代がいつから始まったかという素朴な疑問に対して、
『七五三論争』があることをご紹介しておきます。
簡単に説明すれば、古代は、3世紀から始まったという説、
5世紀から始まったという説、7世紀から始まったという説の3つがあるということです。
古代は3世紀から始まったとする説:
これは大王家(後の天皇家に連なる一族)を中心としたクニづくりの始まりが古代のはじまりです。
古代は5世紀から始まったとする説:
大王家の力がそれなりに確立したと考えられる時点を古代のはじまりです。
古代は7世紀から始まったとする説:
後の平安時代とのつながりを重視して「荘園制度の開始(準備)="天皇家の支配の確立"」を
古代のはじまりです。
さぁ、みなさんは、どの説に賛成するかな。
文頭にも書きましたが、教科書では、
古代は3世紀から始まったとする説を採用しています。